高血圧ワクチン、効果が数年続くが自己免疫疾患のリスクが心配
大阪大学大学院の森下竜一教授が開発した高血圧の新たな治療法「高血圧ワクチン」。毎日の服用が不可欠な降圧剤と違い、1回の注射で効果が数年続くという。
森下竜一
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高血圧ワクチンを開発。臨床遺伝子治療学など先進医療を研究。内閣府規制改革推進会議委員。
高血圧ワクチンの血圧を下げるメカニズム
誰でも体の中に持っているアンジオテンシンIIという物質が血管の壁に付くと血管を収縮させ血圧が上がる。降圧剤はこの物質が血管の壁に付いたり体内で作られるのを防ぐ働きがある。
高血圧ワクチンは血液内のリンパ球の一種にアンジオテンシンIIを攻撃するよう働きかけ、アンジオテンシンIIを攻撃する抗体を作らせる事で血圧を下げる。マウスでの実験では高血圧ワクチンの効果は長期間持続したため降圧剤のように毎日欠かさず飲む必要が無く医療費削減などが期待されている。
デメリット、副作用は
すべての降圧剤の代わりにはならない
色々な高血圧のタイプすべてに効くかはまだわからない。アンジオテンシンIIの働きを抑えるタイプの降圧剤を飲んでいる人に効く可能性が高い。
自己免疫疾患
副作用として免疫システムが正常に機能しなくなり体が自分の組織を攻撃する自己免疫疾患が心配されている。マウスの実験では起こっていないが、人でも起こるかどうか、今年の夏からオーストラリアで治験が行われる。
普及時期
日本では来年か再来年に治験が開始、一般に普及するのは5~6年後と予想されている。
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2017年2月24日 | カテゴリー:健康