100歳以上の人は毛細血管の働きが優れ慢性炎症が抑えられている?炎症を抑える食事とは
慢性炎症とは怪我をした時に腫れるような一時的な炎症ではなく、誰でも加齢と共に全身に起こってくる弱い炎症です。進行すると糖尿病や動脈硬化、心臓など様々な重大な病気に影響します。慢性炎症の程度が低いほど寿命が長く、100歳以上の元気な人(センテナリアン)は炎症がかなり低く抑えられているといいます。
血液検査の項目のCRPを見れば慢性炎症が進んでいるのかがわかる
- 異常:CRPが1.00以上
- 要注意:CRPが0.31以上
- 基準値:CRPが0.30以下
CRPは体内で炎症が起きると肝臓から出るタンパク質の事で人間ドックの血液検査で調べる事ができる。
100歳以上でも元気な人はこの数値が基準値よりもかなり低い。
慢性炎症が進む原因
免疫機能の低下
細胞が老化するとその細胞からサイトカインという炎症を引き起こす物質が分泌される。それが周囲の細胞を老化させ炎症が広がる。さらに死んだ細胞からは細胞の断片や老廃物が出され、それが蓄積するとさらなる炎症の引き金になる。
このような炎症の要因は若い頃は免疫機能が取り除いてくれているが、加齢と共に免疫機能が低下すると炎症の要因を取り除く機能も悪くなるため炎症が全身に広がってしまう。
歯周病
歯周病菌が血管に入る事で炎症を起こすためCRPの数値が高くなる。
肥満
皮下脂肪よりも内臓脂肪のほうが炎症を起こしやすい。特にお腹がぷくっと出てるようなタイプの肥満の人は要注意。
慢性炎症を防ぐには
地中海食
地中海食で多く使われる食べ物は魚・ナッツ・オリーブオイル・野菜。これらに含まれるオメガ3脂肪酸やポリフェノール、リコピンなどに炎症を抑える効果がある。
高齢者に管理栄養士の指導のもと地中海食を1年間食べ続けてもらう実験が欧州5カ国で行われ、指導通りに適切に食べた人ほど炎症の数値が低く抑えられることがわかったが、効果があった国と無い国があった。
人種や遺伝子の違い、腸内細菌の違いによって食事効果に違いが出る。そのため日本人にとっては地中海食より日本食のほうが慢性炎症を抑える効果があると考えられている。日本食で代表的な魚に含まれるEPA・DHA、味噌汁の味噌などに炎症を抑える効果がある。
105歳で現役の医師、日野原重明さんの食事
朝食はオリーブオイルを入れたジュース・大豆の粉をまぶしたバナナ・ミルクコーヒー。大豆やきのこに多く含まれるポリアミンという成分に慢性炎症を抑える効果がある。
その他の食事では魚や色のついた野菜をよく食べるようにし、1日のカロリーは1300キロカロリーまでにしている。
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体脂肪を減らす
ダイエットで体脂肪を減らすのも有効。
ウォーキングなどの有酸素運動を1日30分、食事は野菜を多め+3食しっかり摂る+間食は避けるというダイエットを3週間実践してもらいCRPがどれくらい下がるか調べたところ、3人中2人の数値が半分以下にまで下がったという実験結果がある。
長寿者は毛細血管の働きが優れている
イタリアやアメリカの研究グループが長寿地域の人たちを調べたところ、心臓や腎臓など臓器の機能は低下していたが、毛細血管の微小循環という働きが極めて優れていることがわかった。
微小循環は身体活動が多い長寿者を調べた結果見つかった特徴で、細胞に酸素や栄養素を運ぶ働きや溜まった老廃物を回収する働きの事。この微小循環が老化した細胞が作り出す慢性炎症に繋がる要因を取り除き、老化のスピードを緩めている可能性があるという。
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慢性炎症、毛細血管、長寿 長生き2016年10月31日 | カテゴリー:健康