スルメで舌と全身の老化を予防 噛む回数が少ない、会話が少ないと舌の筋力低下によって全身が老化しやすい
顔にある筋肉の中で舌の筋肉が弱ると全身の筋力が低下し、最悪の場合歩行が困難になる事が調査でわかっています。厚労省が行った65歳以上の2000人を対象に行われた調査によると、舌の筋力が衰えている人は、健康な人よりも筋力が30%低下しているという。
舌の筋力(舌年齢)を測定し、片足立ちで全身の筋力を調べた実験でも、舌の筋肉が弱っていなかった人は全身の筋力が年齢よりも良いか年相応だったのに対して、弱っていた人は全身の筋力が低下していた。
片足立ちは足の筋肉だけでなく上半身の筋力も十分に無ければバランスを維持できないため、全身の筋肉の状態を推測できる。自分の年代の平均秒数より長く片足立ちできれば舌の筋力は弱っていないと推測できる。
手を腰に当てた状態で片足立ち 年齢別平均秒数(京都学園大の調査)
- 50代前半 女性:1分40秒~1分49秒 男性:1分40秒~1分49秒
- 50代後半 女性:1分~1分39秒 男性:50秒~1分39秒
- 60代前半 女性:29秒~59秒 男性:28秒~49秒
- 60代後半 女性:18秒~28秒 男性:20秒~27秒
- 70代前半 女性:11秒~17秒 男性:13秒~19秒
- 70代後半 女性:5秒~10秒 男性:10秒~12秒
- 80代前半 女性:3秒~4秒 男性:6秒~9秒
- 85歳以上 女性:1秒~2秒 男性:4秒~5秒
舌の筋力を低下させ全身が老化する生活習慣
噛む回数が少ない
舌は見えている部分だけでなく、喉の付け根あたりまで繋がっている大きな筋肉の塊。他の部位の筋肉は一方向に繊維が走っているが、舌の筋肉は咀嚼や会話するときに複雑に動けるように、縦や横さまざまな方向に繊維が走っている。
食べ物を噛みやすい場所へ運んだり飲み込む際など、物を食べる時には舌の筋肉が必要。噛む回数が少ないと舌の運動量が減少するため、舌の筋力が低下して物が食べづらくなる。
会話が少ない
言葉を発する時にも、舌は伸びたり縮んだり複雑に動いているため、会話は舌の筋力に良い影響を与える。会話が少ないと舌の運動量が減少し、舌の筋力低下につながる。
舌が衰えると全身の筋力が低下する原因
筋肉の維持に必要なたんぱく質が不足
全身の筋肉を維持するためには、年を取ると不足しがちなたんぱく質が必要。歯ごたえのある肉は、舌の筋力が衰えてくると噛み砕くのが難しくなるため、年を取ると自然と肉を避けるようになる。その結果、たんぱく質不足が起こり全身の筋肉が減少してしまうと考えられている。
舌の筋力アップ→全身の老化を予防するトレーニング
スルメトレーニング
①スルメを1本口にくわえる
②舌でスルメを奥歯へ移動させて1回噛む
③舌で反対側の奥歯へ移動させて1回噛む
④②と③を飲み込みやすい状態になるまで何度も繰り返す
スルメトレーニングは医療現場でも行われているトレーニング法。噛む事よりも舌で動かす事を意識して1日に3本行うと、舌の筋力がアップし全身の筋力低下防止に役立つという。
トレーニング考案:日本歯科大学・菊谷武教授
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歯が丈夫で物をよく噛んで食べる人は太りにくい
歯が悪くあまり噛まずに食べることが多いと、血糖値が急上昇しやすく脂肪を溜め込む性質があるインスリンが多く分泌されるため太りやすい。
歯が丈夫でしっかり噛んで食べるデヴィ夫人は、1日で3000kcal以上のカロリーを摂取しているが、50年近く前からスタイルをキープしている。
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2016年2月2日 | カテゴリー:健康